2007年07月15日
(7) カンボジアへの旅 〜東南アジアの食をたずねて〜
5月に、カンボジアへ行ってきました。アジアの「食」と庶民の人たちの生活感覚に興味があり、仕事の合間をみて小旅行といった感じです。
バンコクへ寄ってプノンペン空港に入りました。延べ7時間半位の所要時間です。カンボジアは、ポルポト政権時代の厳しい時期が有名ですが、近世でも隣のシャムやベトナムの侵略や干渉、現代においてもベトナムからの侵攻、複雑な政治事情による内戦による混乱が長く続いて、苦難の道を歩んできた国です。
5月の終わり頃に行ったのですが、この時期は日本より少し暑い程度、25〜32℃位で、意外に過ごしやすかったです。7月頃に暑さのピークになるようです。
カンボジアの中央付近には、トレンサップという大きな湖があります。(下の地図で白い部分がカンボジア国です)

そこでは、湖面で船上生活をし、移動しながら生活する人たちが多くいます。

<写真:上> 【湖面に浮かぶ家。ボートに引かれて引越中。学校も教会も湖面に浮かんでいます。】
小さな子供たちも、エンジン付きのボートに乗って、缶ジュースや缶ビールを「わんダラー、わんダラー」と良いながら外国人の船のヘリにしがみついて売ろうとします。要するに1缶1$なのです。

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湖までの路上には、まさに高床式の屋根も壁もヤシの葉の家が延々と続きます。広さは、6畳位でしょうか。家族が中にいて、寝転がったり、何やらゲームみたいなものをしたり、外で腰掛けて、ただただ道をぼんやり見ている人もいます。


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網で魚を捕る人たち。トレンサップ湖での重要な仕事。ここ一帯に住む人々はほぼ自給自足だそうです。トンレサップ湖は、1960年代、淡水域としては世界最高の単位面積当りの漁獲高を誇っていたそうで、現在でも住民は魚貝類や水生植物等の水産資源に依った暮しを続 けているそうです。大規模な商業漁業も一部で行われているとのこと。

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カンボジア料理の中でよく名を知られているトムヤンクン・スープ。う〜ん、なんとも不思議な味。甘く、酸っぱく、そして少し遅れて、少々辛さが来る。日本の和風味のように複数の味が調和しているのではなく、別々に味が主張していて、そのまま舌にのってくる感じ。ストレートな味覚。

テーブルに並ぶカンボジア料理。春巻きにそっくりさんも有り。
あの独特の風味の「香草」が少なめで、中身はエビ少々と青菜が詰まっていました。これは日本的で美味しい。皮はパリパリ、割合とさっぱりとした味付けの春巻きを、甘酸っぱいソースにつけて食べる。なぜか、カンボジアのスープ系の味は、甘酸っぱいのが多いようです。(遅れて辛さが来る ^^;;;)

青菜はよくメニューで出てきます。こちらは、日本人にも違和感のない薄味です。ただ、少々油っぽいような....

カンボジアでは、日本でいう焼きそば(ミーチャー)が、結構メニューとしてよく出てきました。炒める時の味付け調味料に若干 日本人には馴染みのない調味料が入っている(おそらくカンボジアの魚醤<ぎょしょう>?)
けれど、全体の味は日本の焼きそばととてもよく似ていました。
作り方(炒め方)も日本と全く同じ。まあ、それは当たり前かな ^^;;
麺については、まるで日本で売っている中華麺。これは、製麺工場で製造された中華麺製品かなと思いました。麺の黄色さは、かんすい使用、場合によっては色素添加か?と思わせる色調だけど、卵をたっぷり入れた麺かも?(よく吟味しておけばよかった ^^;;;) 麺のなめらかさは、とても良く美味しかったです。

そのすぐ隣で、米粉の麺を調理していました。これが「クイテイウ」、カンボジア版フォーといったところで、ちょっと平麺形状です。カンボジアの主食は米で稲作農業が盛んですから、米粉麺はごく普通に食べられてきたのでしょう。
前記の小麦粉の焼きそば、米粉の麺。固めな食感と柔らかめな食感。東南アジアでは、食感の硬・軟を麺によって違えているんですね。日本では、米粉麺的な食感のものとして、はるさめなどがありますが、これは緑豆でん粉、馬鈴しょでん粉、さつまいもでん粉等、澱粉を加工したもので、米粉麺ではありません。あくまで鍋用とか酢の物など一品料理の具材。
数年前、ダイエット感覚のカップはるさめ(スープ)が注目されましたね。
ベトナムのフォーもそうですが、なぜか米粉麺のスープはカンボジアでも、薄味。強烈な味や香料は入れていなし。で、香草はまず入らない。鶏か野菜スープ系が多いようです。だから、東南アジア旅行中の私としてはホッとするメニューなのです、米粉の麺は。^^;;

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いろいろ、通訳の人に質問したり、実際に食べていくうちに、だんだんカンボジア料理の特徴が浮かび上がってきました・・・・・
タイ、ベトナム、インド、中国などの周辺諸国の食文化がミックスされたのが、カンボジア料理の味の基本になっているということ。カンボジアの古代から現代までのの歴史を考えてみれば、ある程度理解できると思います。
アンコールワットの壁画にも、髪を結った中国の兵隊とクメール人(カンボジア人)が一緒に調理したり、闘鶏で遊んだりしている様子が残っていました。そして 共に戦った相手は、当時「チャンパ」と呼ばれたベトナム中部にあった国でした。

<写真:上>【アンコールワットの壁画:髪を結った友軍同士の中国人兵士とクメール人(カンボジアの兵士)が、戦闘の合間に、闘鶏で遊んでいる場面、その上には大きく魚とワニが魚をくわえている姿が彫られています。】
6世紀にはカンボジア国家の起源とみなされている国、中国史料にいう北方クメール人による真臘(しんろう)が勃興したという歴史の記録だけからでも、、少なくとも1500年は周辺の国々との交易・戦い・被侵略、それも相当激しい歴史があります。どちらかといえば、侵略を受けることが多かったカンボジアは、周辺の国々からの食文化の影響は大きかったと推察できます。
さて、カンボジア料理の調味は、タイほど辛くなく、中国やベトナムほど香草の匂いが強烈でなく、香辛料もそう強くなく、野菜を多く使った料理.....その意味では東南アジア系の中では、一般的に日本人に合うんじゃないかと思いました。
そして.....カンボジアのメニューの中で時々感じたあの酸味は、どうもレモン汁らしい。日本では、ハーブとして知られるレモングラスも香料としてカンボジアではよく使われるようです。
それと.....あれれっ!と、私に違和感を与えたカンボジア料理の食味の要因のひとつに、魚醤(ぎょしょう)があるのではないか思っています。おそらく カンボジアの川魚の魚醤。隠し味で、カンボジア風旨味を押し出しているその味に、私は違和感を感じていたのではないかなあ。
次回のカンボジア探索では、その周辺を探ってみようと思います。
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私は、そう回数多くアジア諸国へ行っているわけではありませんが、タイ、ベトナム、カンボジアの国々そして中国も含めて、麺の食感の特徴(方向性)と日本のうどんとの差は大きいですね。
特に讃岐うどんのような、麺の内部に弾力の複合感を出している食感は、東南アジアにはないようです。熱帯気候で、四季のない東南アジア。気候環境の異なるこの地域では、讃岐うどんのような食感を、そもそも官能として捉えていない、あるいは捉える必要がないのかもしれません。
地理・気候等の環境から、人間の食味・食感の嗜好、摂取すべき栄養素は違ってくるので、当然かもしれませんが、でも今後はどうなのでしょうか。
アジアの経済成長が著しいと注目されてきていますが、生活環境や生活の質が変化すれば、食味・食感の嗜好性も変わってくるかもしれません。
最後に、かぼちゃプリン。カンボジアでは、バナナ・ココナッツ・そしてカボチャは、よく使われる材料だそうです。茹でたかぼちゃの甘みと、素朴な味わいのプリンがマッチ。美味しかった。

投稿者 staff : 2007年07月15日 19:24


